前回に引き続き富田林中学校2020年度入試問題の適性試験Ⅰより大問3題の中から2つ目の論説文について考えます。エスカレーターの乗り方について日本と香港との違いについて考察する内容となっています。ちょっと前に東京のJRで係員の人が歩行者に指導をしているニュースが報道されましたね。ニュースを見ておくことが状況の把握に繋がります。文章表現が固いので読み取りが困難になります。
小問1には漢字が3題問われています。
小問2は共通する接続詞を問う問題です。
2.本文中の A ・ B に共通して入る適切な言葉を、次のア~エから一つ選び、記号を○で囲みなさい。(アイウエ)
ア いわゆる イ さらに ウ けれども エ 例えば
AもBも文と文を繋ぐ接続詞ですので、前の文と後ろの文との関係を考えて答えます。Aからは後ろの文が具体例になっているので、容易にエの「例えば」が入ることが分かります。しかし、Bについては単独での判断が難しく、ア・イ・ウを入れてみてうまく繋がらずエならうまく繋がるというように消去法で答えを探す方法で解決できます。今回は、Aと共通の接続詞を入れる問題のためエであると確信できます。
小問3は具体例を用いて記述する20字程度の問題です。
3.本文中の一線部①について、筆者が考えている「慣習を変更する」とは、具体的にはどのような状態にすることですか、状態という言葉で終わるように二十字程度で書きなさい。
傍線部①の主語を確認します。「こういった問題は」となっていて、なおかつ段落の先頭になっていますので、前の段落から「すでに定着している慣習」を探します。なぜ前の段落を探すのかというと、「こう」が文法的には連体詞といって指示語だからです。中学校で習います。小学生の段階では、指示語であるとだけ知っておきましょう。「片側だけに立ち、反対側は歩いて上り下りする人のために空けておく、という慣習がある」を見つけます。設問をよく読んでいない生徒はここを書いてしまいます。設問では「慣習を変更する」とありますので、そのすぐ後ろのイギリスの実験結果の例を書きます。「混んでいる場合は両方に立つ」を加筆して「エスカレーターでは、全員が立ち止まっている(21字)(状態)」と書きます。本文中の言葉を使って「エスカレーター上で歩かない(13字)(状態)」とすると不自然な文になり、また字数が足りません。字数制限がある場合は8割を目安とします。20字程度であるならば、16~24字以内に収めましょう。なかなか点が取りにくい問題です。日頃から文章をまとめる練習が必要です。
小問4は文の挿入問題です。
4.次の文章は本文中の〔あ〕-〔え〕のいずれかに入ります。最も適しているものを一つ選び、記号を○で囲みなさい。(あいうえ)
エスカレーターに乗るたびに、こういった技術デザイン的な解を、素人ながら考えるのは楽しい。段差を倍にするなんて技術釣にできるかどうかわからないけれど、乗ってみたい気もする
挿入する文の「こういった」の「こう」の内容を探します。直後の「技術デザイン」という言葉は、本文中にありません。ヒントは、挿入文のさらに後ろに「段差」という言葉がに着目します。(い)の前の段落に「段差」について書かれていますので、(い)が正解となります。
小問5は内容に関する記述問題です。
5.本文中の傍線部②とあるが、筆者がそれまで考えていたエスカレーターのデザインの変更点を二つ、それぞれ十字以内で書きなさい。
10字以内の字数制限が課されているので、8~10字にまとめます。本文中から「画期的な「デザイン」の変更で、」を探し、その後の「また、」の前後をまとめます。
2列を1列にする(8字)、段差を2倍にする(8字)が答えになります。ここでも要約の仕方が問われます。
小問6は指定された条件で記述する問題です。
6.本文中の一線部③について、筆者は何が嬉しかったのですか。筆者が香港に出張する以前に考えていたこと、香港に行って体験したことにふれながら「エスカレーターの片側を空けて乗る問題の解決は、」に続けて六十字以上、八十字以内で書きなさい。 エスカレーターの片側を空けて乗る問題の解決は、
ここでも字数制限があります。六十字以上、八十字以内ですから、必ずその範囲に収まるように文を整えます。
画期的な「デザイン」の変更によるしかないと考えていたが、エスカレーターを高速にするという、自分が考えてもいなかった解を見つけたこと。(66字)が答えになりますが、「解をみつける」という表現はちょっと思いつかないかもしれません。「解があったこと。」でもいいでしょう。「解」は「答え」と置き換えてみると書きやすくなるかもしれません。設問に「何が嬉しかったのですか」とありますので、体言(名詞)「~こと。」で答えるのも鉄則です。
前問に引き続き、論説文を2題考察しました。今回の論説文は、言葉が難しいので小学生には難解となったかもしれませんが、これも訓練次第で得点できるようになります。