2021年度灘中学校2日目(国語)の入試問題を見てみましょう。
大問3題からなる構成となっており、大問1では、論説文の読解、大問2では、随筆の読解、大問3では詩の鑑賞から出題となっています。特に大問2の随筆に関しては、文字数が4000字を超える内容となっておりますので、速読力を要求されます。
具体的に内容を見ていきましょう。
大問1)池上裕二「脳はすこぶる快楽主義」より出展
問1.傍線部A~Iのカタカナを漢字に改めなさい。
文中の漢字を問う問題です。
答)A(提供)B(複雑)C(感知)D(胃腸)E(費)F(因果)G(備)H(伝授)I(地層)
問2.傍線部1とありますが、筆者が調理のことを「曲芸」というのはなぜですか。理由を答えなさい。
比喩表現を使った理由を答える問題です。
同じ段落の中で、調理は「途方もない数の手順が、同時並行で手際よく進められます。」と記述がある部分が、曲芸(綱渡りや宙返りなど、ふつうの人にはできないわざを使った芸)に似ていると思ったから。「・・・から。」と記述すること。
答)途方もない数の手順が手際よく進められるのは、驚くようなことだから。
問3.傍線部2「調理は珍妙な習慣」とありますが、筆者がそのように考えるのはなぜですか。理由を答えなさい。
「調理は珍妙な習慣」と筆者の理由を答える理由を答える問題です。
「珍妙」「習慣」という言葉を使った理由を答えればよいです。「・・・から。」と記述すること。
答)野生界の動物は生の食材から栄養を得ているのに、ヒトだけが手間のかかる調理をするから。
問4.傍線部3「重要な利点」とは、どのような「利点」ですか。問題文中から十字程度でぬき出して答えなさい。
「重要な利点」の利点の内容を文章中から抜き書きする問題です。抜き書きは、一言一句かえないことがポイントです。調理する理由→おいしいから→理由は次の段落で説明しています。「つまり」以下を押さえます。「・・・利点」に続くように記述すること。
答)利用可能な栄養量が増える
問5.傍線部4「身体に有益なものをおいしいと感じる」とありますが、これはなぜですか。理由を答えなさい。
理由を答える問題です。
傍線部が「つまり」以下の内容になっているので、その具体的な内容である「つまり」の前の部分に答えがあります。同段落の「要するに」以下の内容をまとめます。「・・・から。」と記述すること。
答)栄養がたくさんあるものを食べることは生物学的に利点があり、その利点を積極的に得られるように舌でおいしいと感じるようになっているから。
問6.問題文中の にはどのような言葉があてはまりますか。自分で考えて答えなさい。
適語挿入問題です。
「調理」と「火」との関係を後述していますので、次の段落から類推して答えます。また、「・・・だけです。」に続くよう代入して文のつながりをチェックします。
答)加熱するための火を制御する知恵
問7.傍線部5「火さえも『調理』する」とありますが、これはどういうことですか。説明しなさい。
内容を説明する問題です。
比喩内容を抽象内容に書き換えます。同段落の前半部分をまとめます。
答)火を多様な目的に合わせて色々な使い方をすること。
大問2)三宮麻由子「空が香る」より出展
問1.傍線部1「墨字が読めない不便と引き替えの幸い」という表現から、筆者が、目が見えないという自分の状況をどのように受け止めていると考えられますか、答えなさい。
心情語を使って理由を答える問題です。心情語の知識が必要です。
答)目が見えないことで大変なことが多いが、できるだけ前向きな心持でいようとしている。
問2.傍線部2「秋は読書に適した季節というのは本当だ」ということを、筆者が、目に見える人よりも強く思うのはなぜですか。理由を答えなさい。
そのような気持ちに至った理由を答える問題です。
答)紙に打たれた文字をたどって読むので、紙の手ざわりのよさがよく分かるから。
問3.傍線部3「本を読む手」とありますが、この言葉はどのような動作を表しています、答えなさい。
比喩表現を具体的に説明する問題です。
答)指で一文字ずつ点字をたどっていく動作
問4.傍線部4「手打ちの温かみ」とありますが、これはどういうものですか、答えなさい。
比喩表現を具体的に説明する問題です。名詞で尋ねられたら、名詞で答えること。
答)点字本を作ってくれた人の優しさや苦労が、点字の打ちまちがいとして残っている本の持つ、特別な温(ぬく)もり。
問5.傍線部5とありますが、「クラスメートに本を貸し出すとき」に「なんとなくよそよそしい感じ」がするのはなぜだと思われますか。図書委員の立場を考えながら、理由を答えなさい。
心情語の理解を説明する問題です。
答)本を貸し出す仕事をしている最中なので、同級生であってもかしこまった対応をしなければならないから。
問6.傍線部6「目を細めて見ているという風情だった」とありますが、このときの筆者の気持ちを答えなさい。
心情語の知識が必要です。
答)下級生が一生懸命に本を選んで、読もうとしている様子をほほえましく思っている。
問7.傍線部7「子供に点字を打ってもらったというコンプレックス」とありますが、これと同じ内容の言葉を本文中から四十字以上五十字以内で探し、始めと終わりの五字をそれぞれ抜き出して答えなさい。
「コンプレックス」が「劣等感」という意味であることが理解できていれば、前の段落から答えを探します。言い換えを見つける問題です。語彙力も問われます。
答)同い年の子~ない気持ち
問8.傍線部8「一度も会ったことのない~『新しいお友だち』になったよう」とはどういうことですか、答えなさい。
前の文を抽象的にまとめます。高い記述力が求められます。
答)見知らぬ少女が一生けんめい点字を打ち、自分と同じ本が好きな同い年の女の子だと思うと、親近感がわき、まるで友達になったように感じられたということ。
合格のための対策
本校の問題は、国語の総合力が問われます。確かな学力を時間をかけて培ってきた生徒ならば確実に合格点がとれるはずです。特に大切なのは、正しい読解力に裏打ちされた記述力であると考えます。自分の意見を述べる問題ではあありませんので、本文を正確に読んだうえで、言い換える、要約する、説明する問題になっていますので、論理的に文を読む(読解法)の基礎を学習して、記述の練習を繰り返すことが合格への近道となります。文章を百字程度に要約する練習などを通じて記述力を養いましょう。