日本の中高生の読解力は危機的と言ってよい状況にあります。その多くは中学校の教科書の記述を正確に読み取ることができません。なんだ中高生か、と思わないでください。読解力というような素養は、ほとんど高校卒業までには獲得されます。特別な訓練を受ければ、大人になってからでも読解力が飛躍的に向上することはありますが、そうしたケースは稀です。

3人に1人が、簡単な文章を読めない。全国623名の中学生と全国745名の高校生を対象に「係り受け」問題をテストした結果、およそ30%の生徒が簡単な文章が読めていないことが分かりました。

中学生では学年が上がると正答率も多少上がっています。それが学校教育の成果なのか、学校教育以外の生活体験も含めての年齢的成熟によるものか、学校教育の成果であったとしても、それが期待された以上のものなのか、それには足りていないのかなど、上昇理由は今回の調査ではわかりませんが、すべての分野で中学生のうちは正答率が上昇しているのが分かります。

ところが、高校では学年が上がっても正答率は伸びていません。この調査では、高校生になると学年が上がっても正答率が上がらない理由は分かりません。可能性としては、読解力のような基礎的素養は15歳ぐらいまでの教育でほぼ決まるとか、高校の教育が読解力の涵養(かんよう)には役立っていないなどいろいろな可能性が考えられるでしょう。ただ、このデータから、「読解力は生まれ持っていたものだ」であるとか、「高校生になったら伸びないのだから諦めるしかない」などと結論づけるのは早計です。私の身近でも、大学卒業後に読解力が飛躍的に向上した例があります。つまり、生まれつきでもないし、高校生になったら伸びないということではないということです。

小学校では、理科や社会の授業は5年生になってから学びます。なぜなら、読解力が養われていないと教科書が読めないし、当然その内容が理解できないからです。ましてや、中学校ともなると、理科や社会の教科書の厚みは、数学や英語と比べても2倍ほどになります。つまり、理科や社会の教科書は、日本語が多く使用されているので読解力がない生徒は、読めません。

この事実に気づいて、お子さまの教育に役立ててください。